時は天保十年。大阪に大塩平八郎の乱があり、必ずしも天下泰平とはいいにくいが、ここ江戸は本所横綱町の勘兵衛長屋はノンビリしたもの。住んでる連中は貧乏だけどお人好し。ただ、連中が頭を悩ますのは、家主の勘兵衛のこと。欲深くて情け知らず。だから、最近長屋に入ったばかりの文吉からさえ、「殺して、カンカンノウを
時は天保十年。大阪に大塩平八郎の乱があり、必ずしも天下泰平とはいいにくいが、ここ江戸は本所横綱町の勘兵衛長屋はノンビリしたもの。住んでる連中は貧乏だけどお人好し。ただ、連中が頭を悩ますのは、家主の勘兵衛のこと。欲深くて情け知らず。だから、最近長屋に入ったばかりの文吉からさえ、「殺して、カンカンノウを躍らせてやりたい」と言われる始末。そんなに憎まれていた勘兵衛がポックリ死んだ。死んだのではなくて、殺されたのだ。しかも長屋の柵でカンカンノウを踊っていた!家主殺し捜査にはかなりうぬぼれの強い目明しの八五郎がやってきた。まず文吉が疑われたが、八五郎の調べだと、文吉の顔をお白州が牢屋で見た覚えがあること、勘兵衛は寝床で何者かに殺され、何者かが米つき場に運び、更に何者かが長屋の柵まで運んだということぐらいしか判らない。そんな騒ぎのうち、役人立会いで勘兵衛の金櫃を...
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